『よっつめの約束』は、子育てマンガ&エッセイストの高野優さんが初めて描いた絵本がです。
パパを亡くした姉弟を主人公にしていますが、この絵本は旦那さんを亡くした高野さん本人の心を描いています。旦那さんことを描く勇気がなかった高野さんが、この絵本を描くキッカケになったのはあの、東日本大震災でした。
よっつめの約束 あらすじ

パパを亡くした悲しみから、ある日「寝ない」「笑わない」と言い始めた弟と、パパと交わした「よっつめの約束」が思い出せない姉。「忘れることが、こんなにこわいことだと知しらなかった・・・」。けれど、その悲しみを救ってくれたのは、やっぱりパパの想い出でした・・・。
著者: 高野 優
出版社: 主婦の友社
育児マンガを描き始めた理由と絵本を描くキッカケ
高野さんが、育児マンガを描き始めたきっかけは「妊娠って面白い」という発見でした。だから、旦那さんが亡くなって半年間ほどは、何も描けない状態が続いたそうです。特に旦那さんの死については・・。
数年後、東日本大震災が発生し避難所の映像をみた瞬間、旦那さんを亡くした時の自分自身と重なり「あの人たちはちゃんと泣けているのだろうか」と思ったのが、この絵本を描くキッカケだったそうです。(ミーテ スペシャルインタビューより)
- 悲しければ「泣けばいいんだよ」
- 笑いたい時は「わらえばいいんだよ」
そうすれば、亡くなった人もきっと喜んでくれるから!
それが、愛する人を亡くした高野さんが、絵本で伝えたかったことなのだと思います。
義父が亡くなった。その時妻は・・・。
わたしの両親はまだ健在なので、身近な人を亡くした方の気持ちは、わからないかもしれません。ですが、妻のお父さんが亡くなった時のことはよく覚えています。
自宅で脳卒中を発症し倒れていたところを発見された義父は、延命処置を受けてはいたものの、医師からは「意識が戻ることはない」と断言されていました。
深夜で移動ができなかった長女の妻に連絡が入り、延命処置を続けるか、それとも・・・。との、2択を迫られました。そして妻は、「延命処置を続けない」という選択をしました。
翌朝、新幹線で実家に向かい、葬儀や後片付けをしていたのですが、涙ひとつ見せませんでした。「長女だから・・・」と、ポツリといった言葉はいまでも忘れられません。
妻がどうやって、お父さんの死を乗り越えたのか、わたしにはわかりません。ただ、そばにいてやることしかできませんでした。
今でも、たまに思い出して泣いている姿をみかけますが、
悲しければ「泣けばいいんだよ」
笑いたい時は「笑えばいいんだよ」
世界はたくさんの光と、たくさんの幸せでいっぱいだから!
楽しみましょう。わたしたちは、生きているのだから!