カエルはカエルがイヤなのです。
カエルはなんかだか、ヌルヌルしてるし濡れてるのがイヤ。ふさふさしたウサギやネコになりたいのです。
でも結局は・・。
アメリカで大人気!セリフが吹き出しなので、コミックや漫画のように読めて、ユーモアあふれる絵本です。
オレ、カエルやめるや 内容
アメリカでも大人気! 生意気でかわいいカエルのユーモア絵本。第一弾、ついに邦訳。「だって、なんだか ヌルヌル してるしさあ。」
カエルはカエルがイヤなのです。
だってぬれてるし、ヌルヌルしてるし、ムシばっかり食べるし……。
それよりも、もっとかわいくて、フサフサの動物になりたいのです。
カエル親子の陽気な会話で繰り広げられる自己肯定の物語。(文引用:マイクロマガジン社)文:デヴ・ペティ 絵:マイク・ボルト 訳:小林 賢太郎
人間やめて犬か猫になりたい?
そういえばこどものころ、わたしは犬になりたいと思っていました。
当ブログの相方、やすみちゃんも以前のブログで、「犬か、猫か、お爺さん」になりたかったと白状しました。

ほかのものになりたいっていうのは大体、現実逃避の場合が多いですよね。テストが近づいてきたとか、親に叱られたとか、ともだちとケンカしたとか・・。
あなたは、なにになりたいですか?
にんげんだもの・・
にんげんだもの・・というフレーズで有名な詩人相田みつをさんは、詩集「おかげさん」に収められている詩「どじょう」で、次のように書いています。
どじょうがさ 金魚のまねすることねんだよなあ
相田みつを 『おかげさん』(ダイヤモンド社)より
どうじょうには、どじょうの良さがあるんだから、金魚の真似をする必要はないんです。
人間は、人間にしかできないことがたくさんあるのだから、犬や猫になったら多分できないことだらけで、後悔するんじゃないかなぁ。
つまづいたっていいじゃないか にんげんだもの
相田みつを 『にんげんだもの』(文化出版局)より
絵本らしくないけど絵本なんですけど
作者のデヴ・ベティは映画『マトリックス』の制作にも関わった視覚効果アーティスト。
イラストレーターのマイク・ボルトは、カナダの田舎で暮らしているそうですが、仕事をしていない時は、3人のこどもたちと雪でかまくらを作ったりして遊んでいるらしい。
マトリックスは日本のアニメやコミックをすごく参考にしたらしいので、作家さんも随分影響を受けているのかも・・。
日本語に翻訳した小林賢太郎は、コントや演劇を書く劇作家でもあり、アニメ作品の監督、脚本、キャラクターなど、なんでもこなすパフォーマー。
映画や演劇のエンターテイメント関係者たちが作り上げた絵本だから、絵本らしくないのも当然です。お客さんを喜ばせるのがエンターテナーなので、おもしろい絵本になるのも当然ですよね。
やっぱり人間がいちばんイイ~
最初のころは、「隣の芝生は青い」と思うけど、いろいろ経験しているうちに、結局「わが家がいちばん」だと気づきます。
それがわかっていても、「でも、別のなにかになりたい・・・」と思うこともあります。それが人間なのですから、しかたないです。
そんなとき、この絵本『オレ、カエルやめるや』を思い出してみましょう。きっと、ゲラゲラ笑いながら、気分転換できて、
「やっぱり、人間でいいや」と思うこと間違いないです!
くれぐれも、「オレ、カエルになるわ」と思わないようにだけ、注意してくださいね。