わが子を抱けない・・
子どもを抱けない母親から送られてきた一通のメールから、この絵本は生まれました。
幼児虐待されていたトラウマが原因で、その母親はすがる思いで病院に行き「内田麟太郎さんの絵本を読まれるといいですよ」と教えられたそうです。
内田麟太郎さん自身も、継母(ままはは)に愛されない子ども時代を過ごした経験がありました。
『まねっこでいいから』は、愛情を知らなかった読者と作家が、愛情とはなにかを真剣考えて生まれた絵本です。
まねっこでいいから あらすじ
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「ママ、まねっこでいいからだっこして」 抱きしめればきっと世界が変わるはず 。
子供を抱きしめることの大切さを教えてくれる 現代の母子の愛情を衝撃的に描いた感動の絵本。
こどもを抱けない親たち
わが子を抱けない・・・・。
幼児虐待されていた子どもが大人になり、子どもができて親になる。けれど愛情を知らずに育ったたので、子どもに愛情を伝える方法がわからない・・・。
そういえばわたしは、父に抱きしめられた記憶がありません。
わたしの父は、両親の愛情を知らずに育ちました。祖父は戦争で亡くなり生活に困った祖母は、父を親戚夫婦に預けたられたそうです。
そのせいか、わたしは父に愛情を感じたことがありません。
母は「お父さんは、あなたを可愛がっていたよ」と言ってくれますが、小さなわたしはずっと「父のオモチャ」のような気分でした。
ただ母は、よく抱きしめてくれました。だからでしょうか、いくつになっても、わたしは母が大好きです。
抱くという行為は、いちばん簡単な愛情表現なのです。
でも幼児虐待は、そんな簡単な行為ができなくなるほど、人の心に闇をつくってしまいます。
まねっこ の だっこ って?
子どもは、「だっこして」ってよく言いますよね。
普通のことだと思っていました。
この絵本では、「まねっこでいいから」と子どもが言います。
- ほんとじゃなくていいから
- うそでもいいから
そういう意味ですよね。悲しいと思いますか?
内田麟太郎さんは、子どもを抱けない母親に、こう言ったそうです。
あなたを助けられるのは、あなたのお子さんです。愛がなくてもいいから、まねっこで抱っこされたらいかがですか。
子どもは大好きな母親に抱かれると、うれしいものです。それが、うそでも・・・。
そして、「まねっこ」から「ほんと」に変わっていくのです。
抱きしめて!
あなたも、悲しくて泣きわめいているとき、だれかにそっと抱きしめられたら・・・。
子どもでも大人でも、大好きな人に抱きしめられたら、ものすごく愛を感じます。
とっくん とっくん とっくん
まるで、子守唄のようです。
抱きしめるという行為は、単純ですが勇気のいる行為でもあります。
勇気をだして、大好きな人を
抱きしめて!
後半の母娘の笑顔が最高でした!
(;O;)