ヒーローといえば スーパーマン や ウルトラマン など、正義の味方というイメージです。
でも、今回紹介する絵本には正義の味方は登場しません。
だって 主人公 は ドロボウ なのですから・・・。
ドロボウだって、こどもたちのヒーローや味方になってもいいんじゃない?
ヒーローのイメージを変えてしまった、絵本『すてきな三にんぐみ』を紹介します。
すてきな三にんぐみ あらすじ
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宝集めに夢中だった、黒マントに黒帽子の3人組の大盗賊。
ひょんなことから孤児たちを集め、すてきなお城をプレゼントしました。
黒マントに黒ぼうしの3人組の泥棒がいつものように馬車をおそうと、馬車中にみなしごのティファニーちゃんが座っていました。
3人は、みなしごのティファニーちゃんをさらっていってしまいます。
そのティファニーちゃんが、3にんぐみのドロボウの盗んだ宝をどうするか聞きました。
すると3にんぐみのドロボウは、素敵なことを思いつき・・・。
絵本なのに・・絵がこわいよ~
プロフィールにも書いたとおり、わたしはこわいのキライです。

なので最初にこの本を見たとき、こわい本かなと思いました。
だって表紙に、真っ黒な人 と 真っ赤なまさかり が描かれているんですもの・・。
ホラ―みたいです。
不気味です。
真っ黒な暗闇に浮かび上がる、真っ赤なまさかり・・。怖いですよね?
でも本当は、とってもすてきな ドロボウさんたち だったので、読んでいるうちに怖くなくなりました。
いいドロボウは三人ぐみ?
日本でドロボウがヒーローになったマンガは、『ルパン3世』とか『キャッツ・アイ』などですが、みんな三人ぐみです。
『ルパン3世』は、ルパン・五右衛門・次元の三人組み。
『キャッツ・アイ』は、美人三人姉妹。
わたしの想像ですが、ドロボウマンガを描いた作家さんは、絶対『すてきな三にんぐみ』を読んでいると思います。
すてきな三人ぐみ は良い人?悪い人?
日本の題名は『すてきな三人ぐみ』ですが、原題は『The Three Robbers』(3人の強盗)です。
すてきな・・・という題名は、翻訳を担当された 今江祥智(いまえよしとも)さんがつけたものです。
原題にない「すてき」という表現を、ドロボウ3人組みにつけた理由には、深い意味があったのだと思います。
3人組のドロボウは、ティファニーちゃんに出会ったことで、みなしご たちを幸せにする。良い人に代わっていくのですが、盗んだお金で良いことをするのです。
でもそれって、すてき なことなの?
暗い絵と悪いドロボウが良いことをするという、ギャップが楽しい絵本です。
ですが大人になってから読むと、ちょっと違った感情が芽ばえます。
この ドロボウ3人組 は本当に、
すてきなのか? ヒーローなのか?
『すてきな三人ぐみ』と翻訳された今江さんのメッセージも、ぜひ受け取ってみてください。
みなしごを幸せにするのは、良いこと・・。
真似します!
