『かんがえるカエルくん』は珍しいコマ割りの絵本です
イメージとしては新聞の4コマが近いと思っています。
コマではカエルくんと友達のネズミくんのやり取りを少しずつ描いており、ゆったりとした時間の流れを感じさせます。
ちょっと一息入れたいときに読むといいですよ。
シジミの顔を探すカエルくん
カエルくんは気になったら考え込んでしまう性格です。
よく頬杖をつきながら、空を見上げて考え込んでいます。カエルくんは考え込むとちょっと目じりが下がってくるので、真剣に悩んでいる様子がよく伝わります。

そんなカエルくんは何を考えているのかというと「シジミの顔はどこにあるのだろう?」だったりするのです。
あなたは「シジミの顔はどこ?」って聞かれたら、なんて答えるのでしょうか?
たわいもない内容かもしれないですが、聞かれてもよくわからないなとわたしは思います。
カエルくんの「シジミの顔はどこ?」という疑問からはじまる「かお」のほか、「そら」、「ぼく」の3つのテーマが『かんがえるカエルくん』では描かれています。
素朴な疑問ほど答えは難しいもの だなと読んでいて思いました。
そもそも答えなんてものはないのかもしれません。
穏やかな気持ちになれるやりとり
どうしてもシジミの顔が気になるカエルくんは、友達のネズミくんといっしょにアレコレ考えたり、答えを探しにいきます。
ネズミくんはカエルくんほど気になっていないみたいですが、カエルくんの話を聞いていっしょに悩んでくれます。
悩んだときは誰かが話を聞いてくれるだけでも、だいぶ頭の整理ができますよね。
ネズミくんも、カエルくんにつられてつい自分も考え込んでしまったり・・
ひとりで考えていてもモヤモヤすることが多いですが、ふたりならお互いのアイデアでひらめく ことだってあります。
仲の良いふたりのやりとりを見ていると、穏やかな気持ちになれました。
ゆっくりとした時間が流れるストーリー
カエルくんとネズミくんはいっしょに悩んでみたり、ひらめいてみたり、笑ってみたり・・
表情をコロコロ変えていきます。
そんなちょっとした表情の変化を、コマで丁寧に描いています。
派手な起承転結がないので、読んでいる間はゆっくりとした時間が流れているようでしたよ。
最近、ゆっくりと過ごす時間をつくりましたか?
わたしは仕事が忙しくなったとき、普段の生活よりも早いペースで動くようになったので、効率が良くて便利だと思って喜んでいたのですが、そのぶん疲れがたまりやすくなりました。
なので夕食後の1時間はゆっくり読書をするなど、ゆっくり過ごす時間を作るように意識しています。
たまにはゆっくり過ごしてみたら
忙しいときほど、少しの時間だけでもゆっくりと過ごすことが必要なのかもしれませんね。
たまには空を見上げてぼんやり考えてみると、今まで気がつかなかったことにハッとするかもしれません。
『かんがえるカエルくん』はゆっくり過ごしたいときに読みたい絵本でした
