フェルメールとレンブラントは、「光の画家」「光の魔術師」と言われている二人の画家、フェルメールとレンブラントの絵画を紹介しているのが、『おはなし名画シリーズ(17) フェルメールとレンブラント』です。
表紙はフェルメールの代表作「真珠の耳飾りの少女」。青いターバンと少女の瞳がが印象的です。絵画に詳しくない人でも、どこかで見たことがあるのではないでしょうか?
青いターバンの少女に導かれて、彼らが生きた中世ヨーロッパの街を旅してみませんか?
フェルメールとレンブラント 概要
ヨハネス・フェルメール(1632-1675)
フェルメールは、オランダのデルフトという町で宿屋と居酒屋を営むかたわら、透明な空気を感じさせる静かな画風で17世紀のオランダ市民を描いています。レンブラント・ファン・レイン(1606-1669)
レンブラントは、光と影の画家といわれ、また作品数の多いことでも知られています。博雅堂出版
監修: 森田 義之 文: 小手鞠 るい
ふたりの画家の作品43枚と、その解説文が収録されています。絵画を鑑賞する場合、その時代背景や画家の人となりを知ると、絵画鑑賞がすごく楽しめます。
フェルメールは謎多き画家?
フェルメールは「謎多き画家」として知られています。生前、それなりの評価はされていたようですが、その生活は苦しく、妻と11人のこどもを抱え、苦しい生活を送り43歳の若さで亡くなりました。そのためか、一度は忘れさられた存在になりました。
没後200年、フランスの美術評論家トレ・ビュルガーがフェルメールの作品を取り上げたことで再評価され、西洋美術史に欠かせない存在になりました。ですが、200年の空白期間は大きく、いまだ明らかになっていないことが多いことから、「謎多き画家」とよばれています。
22年の画家生活の中で描かれ、現存する絵は所説あるものの、33点-36点しかありません。
レンブラントの光と影
多くの絵を残し天才画家とよばれたレンブラント。油絵・エッチング・デッサンなど2000点にのぼる作品が残されていると言われています。また、自画像を描き続けた画家としても有名です。
レンブラントは、20代後半には有名画家の仲間入りをはたし、大きな工房を作り、多くの弟子を抱えるようになりました。しかし、その生活も長続きせず、50歳に破産、質素な生活を続け63歳に亡くなりました。
ふたりの天才画家を見比べて
フェルメールとレンブラントの絵を見比べていると、絵の中に描かれた人物が飛び出てくるような迫力を感じます。ただ、どちらが好きかと聞かれたら、あなたはどちらを選びますか?
わたしは断然、フェルメールです。
表紙の「真珠の耳飾りの少女」の、まっすぐにこちらを見ている大きな瞳にくぎ付けになってしまうのです。
400年も前の少女ですけど、AKB48グループにいてもおかしくないくらい、可愛くないですか?
とにかくフェルメールが描く女性には、やさしさがあふれていて、ずっと眺めていたくなるのです。
35点しか現存しないといわれるフェルメール絵画 8点 が日本に終結する、日本美術展史上最大のフェルメール展が東京と大阪で開催されています。
東京展 上野の森美術館
2018.10.5(fri)~2019.2.3(sun)
大阪展 大阪市立美術館
2019.2.16(sat)~2019.5.12(sun)