人にやさしくしよう
日本の昔話には、心やさしい老夫婦のおはなしがたくさんありますよね。この絵本を読んで、こどものころに読んだ『鶴の恩返し』を思い出しました。
どいかやさんのリズム感あふれる「やまねことタンポポ」のお話もステキなのですが、きくちちきさんの絵がとっても印象深くて好きなんです。
やまねこのおはなし あらすじ
あるひ、街へ出てみようと歩き出します。
途中、道ばたに倒れている子猫をたすけ、放っておけなくて山へ連れ帰る事に。それから2匹の楽しい暮らしが始まるのですが…
豊かな自然の世界を、大人気のどいかやと、新鋭の絵描き、きくちちきが描きます。
(文引用:イースト・プレス)作: どい かや
絵: きくち ちき
モノトーンとカラーの変化が楽しい絵本
猫の絵が白と黒のモノトーンで描かれていたと思えば、ページをめくるとカラフルなカラーで描かれていて、その変化がメチャクチャ楽しい。
ごちゃごちゃカラフルな色かと思えば、たった1本のタンポポの絵。
天才かも?
絵と色の変化が楽しくて、きくちちきさんの大ファンになってしまいました。
ちなみに、『しろねこくろねこ』(学研)と、『やまねこのおはなし』(イースト・プレス)がデビュー作だそうです。
お返しの品が物でないのがイイ!
鶴の恩返しは、老夫婦に織物をつくってあげました。おじいさんは、その織物を売ってお金にしたって話です。お金がからむと、なんだか下世話ですよね。
一方『やまねこのおはなし』にでてくる、タンポポがやまねこに返したものは、「毎年春になると会いに来る」という約束です。だからやまねこは、老猫になっても、さみしい思いをしなくてすむのです。
これが、本当の優しさ、恩返しなんじゃないのかな?
育ててもらった両親に、わたしは何も返せていませんが、帰省することが恩返しなんですかね。
たまには、実家に帰って「笑顔を見せなきゃ」
と、思わせてくれた絵本です。