最近、自由研究や読書感想文のためのコーナーを書店でよく見かけるようになりましたね。
そろそろ夏休みに入るからかなーと歩いていると、表紙が真っ黒の『やさいのせなか』を見つけました。
野菜の背中ってどこ?
そう思って読んでみました。
やさいのせなか あらすじ
いろいろなやさいの上に紙をのせて黒いクレヨンでこすると、やさいのせなかの不思議な模様が紙の上に現れて……。さて、これはなんのやさいかな。この奇妙な模様は一体何だろう、この面白いかたちは何に見えるかな?子どもたちは、想像力を思いっきり羽ばたかせて、この絵本を心ゆくまで楽しむことでしょう。遊びながら、身近なやさいの表面の凹凸の面白さ、不思議さ、美しさを発見するユニークな絵本。
(文引用福音館書店ホームページ)
表紙が真っ黒?
『やさいのせなか』というタイトルも気になりますが、それと同時に真っ黒な表紙にも驚きます。
絵本はどちらかというと明るく、ハッキリとした色が多い印象だったので、真っ黒な表紙は珍しいと思ったのです。
実はこの表紙、野菜の上に紙をのせてクレヨンでこすった模様なのです。
やってみたことある?
あなたは野菜の上に紙をのせて、クレヨンでこすってみたことはありますか?
わたしは釣った魚を記録しておく魚拓は見たことがありますが、野菜バージョンははじめてみました。
しかも紙は障子紙を使っています。障子紙ってこんな使い方もできるのですねー
『やさいのせなか』では、写し取られた野菜のせなかである表面から、何の野菜か当てるクイズ形式で構成されています。
このクイズがけっこう難しいのです。
子ども向けだと甘くみてはいけない
わたしは2問しか当たりませんでした。どれも見慣れた野菜ばかりですが、黒くなった模様から正解するのは難しかったです。
『やさいのせなか』のように紙の上からこする技法は フロッタージュ といって、美術の技法のひとつです。対象の意外なイメージが得られる手法のようですよ。
子どもにもわかりやすく構成された絵本ですが、使っている技法やクイズは大人も楽しめる本格的なものでした。
実際にやってみないとわからない
『やさいのせなか』を読み始めたときは、「野菜の表面ならよく見ているし、なんとなくわかるでしょ」と思っていました。けれども正解したのはたったの2問。
わかっているつもりでも、実際はわかっていないことってたくさんあるんだなぁと、あらためて思いました。
『やさいのせなか』のように、実際にやってみないとわからないこともあるのかもしれません。
ちょっと考えさせられる絵本でした
